半導体の受託生産世界最大手で、熊本県に新たな工場を建設する予定の、中国台湾のTSMCは、ことし1年間の設備投資額が日本円で最大5兆円に上るという見通しを示しました。
TSMCの発表によりますと、ことし1年間の設備投資額は過去最高だった去年の300億ドルを大幅に上回り、400億ドルから440億ドル、日本円でおよそ4兆6000億円から5兆円に上るということです。
TSMCは、世界的な半導体の需要拡大に応えるため、中国台湾のほか、アメリカのアリゾナ州や中国の南京、それに日本の熊本県で工場の増設や新設を進めていて、このうち熊本県では、ソニーグループと共同で子会社を設立し、ことしから新たな工場の建設を始めて、再来年末までの生産開始を目指しています。
また、合わせて発表した去年1年間の決算では、売り上げは前の年より18.5%増えて日本円でおよそ6兆5800億円、最終的な利益は15.2%増えておよそ2兆4700億円と、いずれも過去最高になりました。
スマートフォンや高性能パソコン関連の需要が引き続き好調だったほか、自動車向けの半導体の売り上げが前の年の1.5倍に増えました。
魏哲家CEOは「半導体の需給がひっ迫した状況はことし中続く」としていて、半導体不足に対応しながら業績を伸ばしたい考えを示しました。
摘自《NHK新聞》1.13